MSFC 『多文化共生チーム』第28回インタビュー

こんにちは!
MSFC『多文化共生チーム』です。
2020年5月22日に、第28回目の取材を行いました。

今回は、三重大学のキャンパスのガーデニングをしてくださっているニコラさんです。

 

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名前: ニコラ・ガシェットさん

出身国: フランス

年齢:24歳

勤務先:造園・園芸関係の会社

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インタビュー(2020年5月22日)
 

Q.いつ日本に来られましたか。

A.

 実は、日本に来るのは、今回で3回目なんです。今回は、去年の8月に来たのですが、初めて日本に来たのは3年前で、1ヶ月くらい東京に滞在し、その時に日本語を勉強して、ひらがな、カタカナを覚えました。また、2回目に日本に来たのは2年前で、その時はインターンシップのために6ヶ月滞在しました。そのインターンシップでは東京の旅行会社で、動画の編集やマーケティングの仕事をしました。

 

Q.今、三重県ではどのような仕事をしていますか。

A.

 今は、造園・園芸の会社でも働いていいて、三重大学のキャンパスでも仕事をしています。多分1ヶ月くらい、この三重大学のキャンパスの手入れをする予定です。実はこの仕事を見つけたのは本当に偶然でした。私はワーキングホリデービザで日本に来たのですが、もともと英語教師として三重県の英語学校で働くことが決まっていました。そして1ヶ月間の研修を受けていたのですが、研修を1週間終えたところで、コロナの影響でその英語学校が休業してしまったのです。そこでもう全くどうしていいか分からなくなったのですが、その時、私がこのあたりで唯一知っていた外国人に連絡を取りました。彼はドイツ人で、もう8年間日本に住んでいる方なのですが、彼が私を今の会社に連れて行って、私を雇ってくれないかと頼んでくれました。すると、この会社は「いいよ!明日から働いてね!」ということで、働き始めることになりました。それがつい3週間前のことです。と言っても私は、チェーンソーの使い方も知らないし、園芸の仕事に関する経験がなかったので、はじめの1ヶ月間は試用期間ということで、アルバイトの身分で働かせてもらい、1ヶ月後に正社員として雇ってもらえるかどうか判断されるということになります。

 

Q.2年前のインターンシップの時は、どうやってその仕事をみつけたのですか。

A.

 私はそのころ、フランスでコミュニケーションの学校に通っていました。その学校の最終年、3年目に、私は6ヶ月のインターンシップを探さなければなりませんでした。(筆者注:フランスの学校では、卒業要件としてインターンシップを課している場合が多くあります。)私の友達は皆フランスでのインターンシップ先を探していましたが、私は日本でインターンシップをしたかったので、メールで合計184通の問い合わせをしました。日本でのインターンシップを見つけるのはとても難しいことでしたが、私が東京でのインターンシップを見つけたのはドイツのウェブサイトで、給料も渡航費も出ませんでしたが、そこでインターンシップをすることに決めました。

 

Q.どうしてそんなに日本に来たかったのですか。

A.

 子どもの頃から、ずっと日本に住みたいと思っていたのです。だから、まずインターンシップで日本での就業経験を得ることが必要だと思いました。将来日本で仕事を見つける際に、「一度日本で働いた経験がある」と言えることが武器になると思ったからです。もともと日本に興味を持った理由は、いろいろなことの積み重ねでだんだん興味が湧いたのだと思います。日本での滞在期間も、3年前に初めて来た時は1ヶ月、次に来た時は6ヶ月、今回は1年間の予定で、だんだん長くなっています。

 

Q.日本語の授業を受けたことはありますか。

A.

 初めて日本に来るまでは、日本語の授業を受けたことはありませんでした。3年前に初めて日本に来た時は、10月の終わりから12月の初めまで、1ヶ月くらい東京の日暮里にある日本語学校に通っていました。

 

Q.東京での生活はどうでしたか。

A.

 私が東京でインターンシップをしていた場所は表参道で、その時私は日本橋に住んでいました。まさに東京の中心地でしたが、毎日人がたくさんいて、フランスの田舎から来た私にとっては新鮮な経験で、楽しかったです。今回日本に来た当初は、実は千葉県に住んで東京で働いていたのですが、毎日通勤が長くて、3ヶ月間働いた時点で、東京を出たいと思いました。そして、インターネットで、日本で安いシェアハウスを検索したところ、一番上に出て来たのが三重県のシェアハウスだったんです(笑)。

 

Q.フランスの地元は田舎だったということですが、地元で日本人を見たことがありますか。

A.

 私の地元では、一人も見たことがありません。でも、私がコミュニケーションを専攻として勉強していた学校は、トゥールーズという大きな町にあるのですが、3年間そこに住んでいる中で、2人日本人に会ったことがあります。

 

Q.今の仕事は偶然見つけたとおっしゃっていましたが、今後も今の仕事を続けたいと思いますか。

A.

 実は、今も別の仕事を探しています。今の会社も良いですが、1ヶ月後正社員として雇ってもらえることになったとしても、就労ビザへ取得の手続きなどもこの会社は詳しくないですし、結構時間がかかることは間違いないと思います。でも、実は私の彼女は日本人で伊勢に住んでいるので、彼女の近くで仕事が見つかれば良いなと思います。将来的には、私がこれまで専門的に勉強して来た宣伝・広告などの仕事が日本で見つかれば理想的です。でもそのためには、もっと日本語が上手にならないといけないと思います。

 

Q.ニコラさんが日本に住むことについて、フランスのご両親はどう言っておられますか。

A.

 初めは、両親は私が真剣に日本に住みたいということをよく分かっていなかったと思います。私が日本に住みたいと言うと、両親は「ははは、面白いジョークだね!」なんて言っていました。でも、日本に行きたいと私が何度も口にするうちに、両親も私が真剣だとだんだん分かってくれたようです。今は、私が日本に住むために色々と進めていることを理解してくれていますし、私が日本に住むことを応援してくれています。私がフランスに住んで、不平や不満を言うのを聞きたくないでしょうしね(笑)。

 

Q.日本で生活する上で困ったことはありますか。

A.

 深刻な問題は経験したことがありません。何か困った経験をあげるとしたら、日本のすごく小さい町の駅で、切符販売機がなかったことくらいですかね。私が駅員さんに、「どこで切符を買いますか」と聞いたら、むこうは「?」と言う表情で、そのまま改札を通してくれました。

 

Q.将来日本に住みたい、または日本で仕事を見つけたいと思っている外国人留学生の皆さんにアドバイスをくださいますか。

A.

 私のように、日本語があまり話せない場合ですが、まず、自分は何ができるかを全部確認することが大切です。例えば私はフランス人だから、フランス語が話せます。ですから、例えばgoogle翻訳で「French teacher」を日本語に直し、その言葉をgoogle地図で検索します。すると、これに関連した会社が出て来ますので、その会社で雇ってもらえるかもしれません。ただし母語が英語で英語教師の仕事を探す場合はこんな方法を使わなくても良いですよ。英語学校はすごく多いですから、すぐに見つかると思います(笑)。