平成31年2月14日(木)と、2月19日(火)、2月21日(木)に、
「現代社会理解実践(三重の地場産業)」(三重創生ファンタジスタオリジナル科目)を実施しました。
「現代社会理解特殊講義(三重の地場産業)」は三重県の地場産業において現場の第一線で活躍されている方々をゲストスピーカーとし、実際に現場も見学することで、三重県内の地場産業が抱える課題の発見と、それへの実現可能な解決策を提案する能力を修得することを主な目的とする授業です。 この授業は現場見学もある実践的な科目であり、三重県経済が抱える課題に対して果敢にチャレンジする積極性と行動力をもった人材を養成しています。
2月14日(木)
●萬古焼の工場見学
四日市市にある公益財団法人三重北勢地域地場産業振興センター「じばさん三重」(以下:じばさん三重)にて、西浦氏に萬古焼の歴史と現状について講義をしていただき、学術的に地場産業について学びました。
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大手家電メーカーと提携し商品開発を進める株式会社ミヤオカンパニーリミテドでは、三重大学の卒業生が対応してくださり、受講学生はキャリアプランの件についても興味津々といった様子でした。
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萬古焼専門の問屋である株式会社スズ木では倉庫内に高く積み上げられた商品群を見ながら流通に関する話をしていただき、メーカーに対する商品開発の提案の手法や、現在進行中の新製品についても話していただきました。
学生たちは新商品を手に取りながら「企画の発想はどのように浮かんでくるのですか?」といった開発秘話など、多くの質問をしていました。
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↑ 新商品の開発秘話について質問する学生 |
この日最後に訪れた有限会社藤総製陶所では藤井社長の商品開発への情熱や,考え方,マーケティングについて熱く語っていただきました。
小さい町工場で如何に付加価値を生み出すかについて活発に議論が交わされ、学生からは「どのようなプロモーション戦略をとったのですか?」といった質問が上がりました。
↓ 熱く語る藤井社長 | ||
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2月19日(火)
●伊勢木綿の工場見学
伊勢木綿を現在も生産している唯一の工場である株式会社臼井織布の臼井社長に講義をしていただき、伊勢木綿についての歴史や現状について理解を深めた後、工場を見学させていただきました。
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工場では100年前の豊田織機製の機械が現役で稼働しており、かつての全盛期の活気が伺えるような空間が広がっていました。
その中で臼井社長が手掛ける新商品や大手デザイン会社との共同開発についても話をしていただき、学生は意外と身近に伊勢木綿の商品があることに親近感を感じたと話していました。
●河武醸造の酒蔵見学
日本酒造りにおいて、三重県内で様々な取り組みを行っている株式会社河武醸造の河合社長に講義をしていただきました。
株式会社河武醸造では日本酒だけにはとどまらず、酒かすケーキや柚子を用いたリキュール酒、醸造と同じ地域の天然水で作ったサイダーなど様々な商品開発について紹介していただきました。
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講義の後は、酒蔵を見学しました。
実際にどのように下処理し,発酵させ,商品にするのかといった一連の流れを工場内を回りながら説明していただき、学生たちは非常に繊細な職人技に驚いていました。
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2月21日(木)
●最終発表
受講生は三重の地場産業について学術的知見と様々な統計データを分析し、現場で得た情報とこれまでの学びを活かし、各産業が抱える問題点や課題点に対する具体的な改善案についてプレゼンテーション形式で発表を行いました。
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それぞれとても良い発表で、じばさん三重の西浦氏からも大満足とのお言葉を頂きました。
●学生の声
・中小企業にもそれぞれ大きな努力があり、合理的ではない心理の変化等があることが分かった。
・自分の意見だけでなく、他人の意見(他の受講生や各産業の社長)も聞くことでより一層理解が深まった。
・信念を貫くことの重要性を知った。
・自分が弱者であることを認識し専門性を持つことは「無知の知」と同じだと思う。
・この授業では地場産業を客観的に見ることで、様々なデータを分析する手法が身についた気がする。今後の学びに活かしたい。
・普通に検索すると埋もれている情報も、現場を見たり、関係者に直接話を聞くことで裏側が良く分かり、自分の足で情報収集する大切さを思い知った。事前に調べたときはわからなかった情報も、現場で沢山手に入った。