MSFC 『多文化共生チーム』第20回インタビュー

こんにちは!
MSFC『多文化共生チーム』です。
2020年3月10日に、第20回目の取材を行いました。

今回は、三重大学前昭和食堂の道向かいで、ワゴン車でケバブを売っているラフィさんです。

 

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名前: ラフィ(ラフィック・モーサ)

出身国: エジプト

年齢:41歳

勤務先:Dream Kebab ドリームケバブ
(https://www.facebook.com/286342041714811/photos/d41d8cd9/878313829184293/)

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インタビュー(2020年3月10日)
 

Q.いつエジプトから日本に来たのですか。また、どうやって日本語を勉強したのですか。

A.

 2005年の10月に日本に来ましたが、その時日本語は全く話せませんでした。私はエジプトにいる時は、アラビア語と英語を話す環境にありました。エジプトの母国語はアラビア語ですが、私を含め大学を出ている人は皆、英語も話せるのが普通です。その他、ポルトガル語とドイツ語も少し話せますが、日本語を勉強する機会はありませんでした。日本に来てからもずっと独学でしたから、日本語のクラスというものは今まで受けたことがありません。日本に来た直後は、日本のレストランでアルバイトをしたのですが、周りのアルバイトはほとんどみんな日本人の大学生だったので、彼らと交流したりしながら日本語を覚えました。日本語の文字については、ひらがなとカタカナ、それから日本語能力試験のN4〜N3レベルの漢字は勉強して覚えましたが、漢字は普段使わないとすぐに忘れてしまいますので難しいですね。普段の生活の中だと、例えば子どもの学校からの連絡などに書いてある漢字を解読するのが大変です。

 

Q.この「ドリームケバブ」というお店を、いつからなさっていますか。

A.

 ワゴン車でケバブを売ることをメインの仕事として始めたのは去年の6月からです(筆者注:場所は津市の三重大学前昭和食堂の道向かいです)。その前までは、週末だけ、四日市の、飲み屋さんが並んでいる場所で、サイドビジネスとしてやっていました。私はシングルファザーなのですが、夜は子どもたちと一緒にいなければならないので、残業や夜勤がある仕事はできない状況でした。そこで、サイドビジネスとしてやっていたこのケバブ屋さんをメインにして、時間の融通が利くようにしたのです。今は平日の昼間は津市で、週末の夜は四日市でこのお店を開いています。

 

Q.お子さんは日本語を話しますか、それともアラビア語を話しますか。

A.

 私は子どもが二人いて、一人は小学校4年生でもう一人はまだ4歳ですが、もちろん二人とも日本人の子ども達と同じように日本語を話しますよ。私が日本語がわからない時は子どもに助けてもらいます。それから、子どもは英語とアラビア語も話します。ただし英語やアラビア語は使わないと忘れてしまうので、エジプトにいる私の家族とインターネットでアラビア語を話す機会を作っていますし、英会話学校にも通わせています。英会話学校以外に、サッカーやピアノの習い事もしています。私は、基本的には自分の収入は全部子どもたちのために使いたいと思っています。

 

Q.時々母国に帰っていますか。また、将来的には母国に帰る予定ですか。

A.

 日本に来てからの15年間で、エジプトには4年前に3週間帰っただけです。でも、今はインターネットがありますから、エジプトの家族とはよく話しています。今後も、私は日本に住み続けたいと思っています。私には夢があって、この「ドリームケバブ」というお店を、有名なファーストフード店のように日本中に広げたいと思っています。だから、今は定住者ビザで日本に住んでいますが、日本の国籍を取りたいと思って日本語の勉強も続けています。

 

Q.日本に住み続けたいと思っている外国人留学生にアドバイスはありますか。

A.

 重要なアドバイスが二つあります。まず一つ目は、日本語を勉強すること。ここは日本なので、日本語が話せることは絶対条件です。二つ目は、日本のルールを守ること。信号をわたる時だってそうですし、私の場合はお店の消毒・殺菌を徹底することもそうです。ルールを守ることが問題を起こさないために必要です。

 

Q.最後に、この記事に載せるために、ケバブを焼いている写真を撮らせてもらってもいいですか。

A.

 いいですけど、でも、あまりケバブが残っていないですよ。(筆者注:このインタビューは午後4時ごろに行ったものですが、その時間にはほとんど売り切れていました。)