MSFC 『多文化共生チーム』第33回インタビュー

こんにちは!
MSFC『多文化共生チーム』です。
2020年11月24日に、第33回目の取材を行いました。
今回は、TSSキッズランドで英語とプログラミングのクラスを担当されているジン・ヨンジュンさんです。

 

.................................................................................................................................................................................

1

 

名前:ジン・ヨンジュン

出身国:韓国

性別:男性

年齢:39

勤務先:TSSキッズランド(http://www.good-at.com/kids/index.html)英語・プログラミング講師

.................................................................................................................................................................................

インタビュー(2020年11月24日)
 

Q.ジンさんは、いつ、日本に来られましたか。

A.

 私が日本に来たのは、2009年です。その時はワーキングホリデーで来日して、一年間東京にいました。その前にも2006年にワーキングホリデーでカナダに行った経験があって、その時と同じような感覚で日本に来ました。ただし、カナダに行った時は英語が話せたのですが、日本に来た時は全然日本語ができない状態でしたから、ワーキングホリデーで来日したとは言え、初めの半年間はアルバイトが見つかりませんでした。その後コンビニで雇ってもらったのですが、お客さんに「〇〇はある?」と聞かれてもその〇〇という言葉が分からなかったりしました。日本に来ることを決めた時は、私も若かったので「なんでもできるさ!」という自信とやる気に満ちていたのですが、日本での経験を経て、「自分がやりたいこと」と「自分にできること」の差を実感しました。そこで、私は自分がやりたいことは置いておいて、自分にできることを探してみようという気になりました。

 

Q.その後、どうされたのですか。

A.

 日本でのワーキングホリデーが終わってから韓国に帰り、まず自分が韓国人であるということを生かして韓国語の講師になろうと思いました。それで、韓国で、韓国語講師養成コースを受け、韓国語講師の資格を取りました。当時日本ではまだ韓流ブームが盛んでしたので、私はまた日本に戻って来て、静岡にある語学学校で韓国語の講師になりました。その静岡での仕事は、GaijinPot(https://gaijinpot.com/)というウェブサイトで見つけたのですが、これは外国人には比較的有名なサイトだと思います。日本での仕事や、日本にある日本語学校、またアパートなどを見つけられるサイトです。私はこのサイトで見つけた静岡の語学学校で、5年ほど働きました。

 

Q.その後、三重県で仕事を始めたのはいつですか。

A.

 2015年くらいに三重県に引っ越して来ましたが、三重県に来る前に今勤めているTSSキッズランドの情報をハローワークで見つけました。そして二回か三回くらい面接を受けて採用していただけました。今の職場では、英語とプログラミングのクラス担当として、子どもたちを教えています。英語の講師になるにあたっては、カナダにワーキングホリデーに行った経験も役立ちましたし、それに、韓国ではある程度のレベルの仕事がしたかったら英語が話せることは必須のようになっていますので、私も韓国で学生だった時に英語を勉強しました。(筆者注:ジンさんは2010年ごろ、TOEICで890点を取得されています。)また、私は韓国の大学ではCG(Computer Graphics)を専攻していましたので、そのおかげで今プログラミングのクラスも担当させてもらっています。

 

Q.ジンさんは、日本人だと言われたら信じてしまいそうなほど日本語がお上手ですが、どのように日本語を勉強されたのですか。

A.

 日本のテレビを見たり、特にドラマをたくさん見たりして勉強しました。また、日本人の友達と話したりすることも、自分の日本語能力の向上に役立ったと思います。私としては、日本の教育費はとても高くて、自分は留学などに投資するほど経済的余裕がなかったものですから、日本語の授業というものは受けたことがありません。全て独学でした。やはり日本に住むのなら日本語が話せることがベースになると思います。見た目が西洋人だったら、少し日本語を話せれば「すごいね!」と言われますが、私のように顔が日本人みたいだったら、日本語が下手だと「?」という反応をされますしね(笑)でも、日本語に限らずどんな言語でも、いくら勉強しても完全にネイティブ並みになることは難しいと思いますから、語学の勉強はずっと続けないといけないと思います。

 

Q.日本語以外で困ったことはありますか。

A.

 やはり文化的なものでしょうか。三重県では少ないですが、関東では建前などが多くて、直接的なメッセージを言ってくれない時にその真意を読むのが難しいことがあります。自分と付き合いが長い人と話している時もそういうことはあって、「全部言わなきゃ分からないの?」と言われることもあります。こういったことは、私のような外国人は、どれだけ長く日本に住んでいても限界があるかもしれないと思います。

 

Q.ジンさんが日本に住んでいることについて、韓国のご両親はどのように思っておられますか。

A.

 私の韓国の両親は、私が初めにワーキングホリデーで日本に来た時は、両親は軽い感じで「いってらっしゃい」と言っていました。でも、私が日本で日本人と結婚することになった時は、母が少し心配そうでした。日本人と結婚となると、韓国に帰らないということが前提になりますからね。父は「自分の思うようにしたらいいけど、自分のことは自分で責任を取るように」という性格ですが、父も母も色々考えるところがあったと思います。

 

Q.将来日本で住みたいと思っている外国人留学生や、日本で仕事をしたいと思っている外国人留学生の皆さんにアドバイスはありますか。

A.

 そうですね。一般的な話ですが、これから就職する若い人たちには、段階的に考えて欲しいと思います。例えば自分がやりたいことがあるなら、そのために何が必要かを考えます。資格などが必要なら、その資格を取らなければいけません。そしてその仕事を得るためには何を準備する必要があるかを考えます。外国で仕事がしたいなら、ビザの準備をしなければいけません。すると、自分のためにビザを取ってくれるような会社を探さなければならないですよね。こうして一つ一つ必要なことを確認して、クリアしていく必要があると思います。それから、日本で仕事がしたいならもちろん日本語能力が必須です。頑張ってください。