MSFC 『多文化共生チーム』第34回インタビュー

こんにちは!
MSFC『多文化共生チーム』です。
2020年12月16日に、第34回目の取材を行いました。
今回は、NASKEOから内定をもらったギヨム・マイエさんです。

 

.................................................................................................................................................................................

1

 

名前:ギヨム・マイエ(Guillaume Maillet)

出身国:フランス

性別:男性

年齢:24

勤務先(予定):NASKEO(http://naskeo.com/ja/)

.................................................................................................................................................................................

インタビュー(2020年12月16日)
 

Q.三重大学の学生だったのですよね。

A.

 はい、三重大学の工学部の大学院の学生でした。2018年9月から2020年9月まで2年間在籍しましたが、1年目は電気を中心に勉強しましたが、2年目は機械に変更しました。でも、フランスにいた時は情報工学などを含む一般を勉強していました。

 

Q.日本の会社から内定をもらったのですよね。

A.

 はい、「NASKEO環境」という会社で、来年の3月から働き始める予定ですが、コロナのため、隔離等の問題で、もしかしたら働き始めるのが4月になるかもしれません。この会社はバイオマス、つまり野菜や産業廃棄物などをリサイクルして、電力、熱などを作り出すということをしています。実はこの事業の内容は、私が大学で勉強したことと違うので、知らないこともたくさんあります。ですから、研修を受けたりして、色々学ばなければなりません。でも、それも面白いと思いますし、やりがいがあると思います。

 

Q.日本のどこで働くことになるのですか。

A.

 北海道の札幌です。ここから遠いですし、寒いですね(笑)北海道にはまだ行ったことがないのですが、いいところだと色んな人から聞いていますので、早く行って見たいと思っています。ここや関西地方とは色々違うところがあると思うので、楽しみです。

 

Q.北海道に入ったことがないとおっしゃいましたが、面接などはオンラインだったのですか。

A.

 はい、面接は全てオンラインでした。実は、この会社はフランスに本社を置いている会社で、私はその日本支社で働くことになります。フランス本社にいる面接官と話す時などはオンラインでなければなりませんし、日本の支社の方と面接をした時もオンラインでした。フランス人の面接官と話す時はフランス語で、日本人の面接官と話すときは日本語でしたが、とてもわかりやすい日本語で話してくださったので、特に問題はありませんでした。

 

Q.日本語での面接は問題なかったということですが、ギヨムさんの日本語はどのくらいのレベルなのでしょうか。

A.

 私は、つい2週間ほど前に、JLPTのN2を受験したところで、まだ合否の結果は出ていません。私は日本に来た頃はほとんど日本語が話せなくて「ありがとう」とか「こんにちは」くらいしか言えなかったのですが、今は、特にスピーキングやリスニングに関しては私はN2レベルにあると思います。でも、読み書き、漢字に関しては、多分私はN3に近いかなと思います。

 

Q.どのように日本語を勉強したのですか。

A.

 私の日本語学習の柱は大学の日本語クラスでした。初めは基礎Iのクラスから初めましたが、私は日本語を学ぶことに対して大きなモチベーションがありましたから、宿題以外に自己学習もたくさんしました。ですから、基礎IIのクラスを終えて、その次のクラス分け試験では、基礎IIIを飛び越えて中級Iレベルのクラスに入ることができました。それに、2年目には二つのアルバイトをしていて、それが私の日本語能力の向上に役立ったと思います。一つは塾でのアルバイトで、私は英語を教えていましたが、数学と物理も少し教えていました。もう一つはコンビニでのアルバイトで、このアルバイトは、私のリスニングとスピーキング能力のために本当にいいトレーニングになりました。特に、仕事中はずっと敬語を話していましたから、敬語をたくさん学びました。だから私は今、聞いたり話したりすることは上手になりましたが、読み書きはまだそこまで上手じゃないんでしょうね(笑)。それに、礼儀の勉強にもなりました。外国人は特に、失礼だと思われないように頑張らないといけないですからね。他にも、大学の事務室で少しだけ働かせてもらったり、お年寄りにフランス語を教える短期アルバイトもあって、全部良い経験でした。

 

Q.就職活動の話に戻りますが、期間としてはどのくらい就職活動をしたのですか。

A.

 私が仕事を探し始めたのは今年の5月でした。私が内定をもらったのは12月初めですから、7ヶ月くらい就職活動をしたことになりますね。本当は、7月の日本語能力試験を受けるつもりだったので、そっちの勉強を優先しようと思って、試験後に本格的に就職活動をしようと思っていたのですが、コロナの影響で日本語能力試験の中止が決定してしまいました。それで5月から就職活動を始めることになったのですが、でも、5月から9月は、全く就職先が見つかりませんでした。会社に連絡をとっても、今はコロナで何もできないという返事をもらうことが何度かありました。

 

Q.どのように就職活動を進めたのですか。

A.

 ほとんどがインターネットでの情報収集になります。あまり県外に行きたくなかったという理由もありますが、特に外国人にとって役に立つサイトが色々ありました。普通の就職サイト、例えばIndeedなどのサイトは、日本人を対象にしていますから、外国人の求職者にとっては使いにくいところがあります。それに対して、外国人を対象にしたDaijob、 CareerCross、GaijinPotなどのサイトは、日本語と英語で書いてありますし、「日本語能力試験N3以上」とか「日常会話能力必須」などの条件が書いてあることが多いです。ほとんどの企業がN1レベルを求めているのに対し、N1レベル未満の私などが就職情報を探すのにはとても役に立つサイトでした。それから、私は日本に住んでいるフランス人のためのフランスのウェブサイトも調べました。実は私が内定をいただいた会社もこのサイトで見つけたものです。このサイトでは、例えばフランス政府と契約している会社、またフランスの会社が海外で現地採用している情報などが載っていました。そこで私は、日本で現地採用しているフランスの会社を検索したところいくつか見つかって、そのうちの一つから内定をもらったというわけです。

 

Q.フランスにいるご家族は、ギヨムさんが日本で住むことに関してどう思っていますか。

A.

 両親と兄がフランスにいますが、私は、家族の中でいつも変わったことをする人でしたから、両親たちもそれをよく理解しています(笑)。家族はいつも進路などに関する私の決断を受け入れてくれていて、私をサポートしてくれます。もちろん私がすぐに会えるフランスにいた方が家族は嬉しいのでしょうが、私が日本で就職することを悲しんだり、反対することはありません。私としては、このままずっと日本に住むかどうかは分かりませんが、多分5年か10年は日本に住んで、その後どうするか考えると思います。その頃には、日本に住み続けるか、フランスに帰るか、または他の国に行くかなどは、私一人の決断ではすまなくなっていると思います。もしその頃結婚しいていたら妻の意見もありますし、もし子どもがいたら、日本の教育を受けさせた方がいいのかフランスの教育を受けさせた方がいいのかも考えなければいけません。そういうことは今は全く分かりませんので、10年後にどうなるか、ですね。

 

Q.日本に住み続けたい、または日本で就職したいと思っている外国人留学生たちにアドバイスはありますか。

A.

 仕事を探すなら、就職活動をすればするほど、ストレスはだんだん減っていくと思います。ただし、やはり日本語ができないと、難しい状況が続くと思います。私の経験では、とてもたくさんの企業が、日本語能力試験のN1を持っている外国人を求めています。N2でもいいという企業もありますが、やはりN1を条件とする企業が多いと思います。N3やN4レベルの外国人にとっては、就職は不可能とは言いませんが、とても難しいと思います。ですから、就職のチャンスを狭めないように、日本語を勉強した方がいいと思います。高い学歴や豊富な経験を持っていても日本語ができないために就職できないというのは、フラストレーションが溜まることだと思いますから、日本語能力を最大限に上げるというのは良い考えだと思います。それから、諦めないことも大事かもしれないです。私も、この内定がもらえなかったら、諦めてフランスに帰ることになったわけですが、でも、できる限り長く、できる限りの努力をすればチャンスはあると思います。それには、大きなモチベーションを保つことが必要です。もう一つ、日本人の友達、先生、アルバイト先の人など、周りの人に色々質問をするのも大切です。求人を出している会社の情報など、色んな人から色々な情報をもらえます。こうした情報は、色々な事を知らない外国人にとっては特に有益です。面接に臨む時にも、周りの人にアドバイスをもらった方がいいです。例えば日本の面接はフランスの面接と全然違います。良かれと思って言ったことが面接官に悪い印象を与えることもあり得ます。ですから、周りの人の意見を聞くことはとても重要です。