MSFC 『多文化共生チーム』第35回インタビュー

こんにちは!

MSFC『多文化共生チーム』です。
2021年3月30日に、第35回目の取材を行いました。
今回は、株式会社ライフテクノサービスから内定をもらった人文学部4回生のカンソンミンさんです。

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名前:カンソンミン(姜聲珉)
出身国:韓国
性別:男性
年齢:28
勤務先(予定):株式会社ライフテクノサービス(https://www.life-techno.jp/)

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インタビュー(2021年3月30日)
 

Q.カンソンミンさんは、三重大学を卒業したばかりで、もうすぐ働き始めるのですね。

A.

はい。ライフテクノサービスという福祉関係の会社で働く予定です(筆者注:第32回インタビューのヤンヤンさんと同じ会社です)。福祉の会社ではありますが、ライフテクノサービスではこれまで業者に委託していた業務システムやwebプログラムなどを自社開発することになり、そのためのITエンジニアを育てるということになったそうです。私はそのITエンジニアとして内定をいただきました。

 

Q.とても日本語がお上手ですが、日本に初めて来たのはいつですか。

A.

初めて日本に来たのは、高校一年生の時に日本の仙台の温泉に旅行で来た時です。5日間くらい滞在しましたが、その時はほとんど日本語を話せませんでした。例えば、「ありがとうございます」とか、「いくらですか」とか(笑)。その後、三重大学に入学したのは2019年、去年ですね。韓国の大学を中退して、2019年の4月に三重大学人文学部法律経済学科に3年次編入し、日本経済論を専攻として勉強しました。

 

Q.いつから日本語の勉強を始めたのですか。

A.

私は韓国で大学に行っていた時は英文学科に所属していたので日本語の授業は受けたことがないのですが、日本語に興味があったので、自分で勉強したり、2017年の2月か3月に交流会を通じて知り合った日本人の友達と連絡を取り続けたりしていました。その後、同じ2017年に大学を休学して、半年間日本の新潟県の日本語学校に留学しました。その時に新潟で日本語能力試験(JLPT)のN1を受けて合格しました。でも、日本語が話せても、言語以外の文化的な面で戸惑うことは今でもあります。例えば、友達と話している時に、私が「あー、、、」と言うと、相手に違った意味で解釈されたり、逆に相手が「あー、、、」と言った時に私が間違った意味で解釈することなどがあります。

 

Q.就職活動中、面接などで、日本語の面で困ったことはありませんでしたか。 

A.

日本語の面で困ったことはありませんでしたが、面接での質問にどう答えたらいいかわからなくて困ったことはありました。その時は、「ITの仕事がしたいなら、この会社じゃなくてもいいのではないですか。どうしてこの会社で働きたいのですか。」と聞かれました。私は良い答えが分からなくて困ってしまいましたが、「私はこの津市で働きたいと思っています。この津市に友人もいますし、ここでITの仕事がしたいと思いましたから、この会社で働かせていただきたいと思っています。」と答えました。そうしたら、面接官の方も納得してくれたので、良かったと思いました。

Q.就職活動をして困ったことはありましたか。

A.

まず、私は三重大学の4年生の5月末から就職活動を始めたのですが、少し遅かったと思います。韓国ではそんなに早くから就職活動を始めませんから、正直なところ、私はその時期はあまり就職活動について真剣に考えていませんでした。でも、中国人の友達から、「もう就職活動の時期は始まっているよ」と言われ、色々聞くと日本の就職活動は3年生の12月くらいから始まると知ってびっくりしました。それで、私より前に内定をもらった友達から就職活動についての本をもらって、その本を読みながら活動を始めました。

Q.学生ビザから就労ビザへの切り替えはスムーズに行えましたか。

A.

ビザの切替は問題なく行えました。でも実は、経済を専門とする私がITエンジニアとして就職するということに関して、就労ビザが降りにくいのではないかと心配していました。大学で専門として勉強したことに関する仕事に就く場合はビザが降りやすいと聞いています。だから、私のようにITエンジニアの仕事に就く場合は、工学部の学生だったら問題なくビザが降りると思うのですが、私の専門は経済ですから難しいかもしれないと思いました。でも、IT関係の資格を持っていればビザが降りる可能性も高まると聞いたので、「ITパスポート」という資格を取りました。私は去年の12月9日に申請して、就労ビザが降りたのは3月29日でした。審査結果が出るまで結構時間がかかったので、不安な時もありましたが、ビザがもらえてほっとしています。でも、基本的には入国管理局の対応は親切だったと思います。また、私は三重県にある四日市の入国管理局出張所に申請書類を提出したのですが、聞いたところによると、出張所ではなく、名古屋の入国管理局に申請書類を出した方が、少し手続きが早いそうです。実際、私の留学生の友達の多くは私よりも遅く申請書類を名古屋に提出したにも関わらず、私よりも早くビザをもらっていました。

Q.韓国にいるご両親は、カンソンミンさんが日本で就職することについてどう思っていますか。

A.

父は2014年に亡くなりましたが、母は、日本でも韓国でも、私が就職できたことを喜んでくれています。母はいつも私をサポートしてくれていて、日本に来てくれたこともありますし、私も三重大学に来て以来、3ヶ月に1回くらいは実家に帰っています。ただ、今年はコロナ禍のせいでまだ帰れていません。

 

Q.将来日本で住みたいと思っている外国人留学生や、日本で仕事をしたいと思っている外国人留学生の皆さんにアドバイスはありますか。

A.

いい企業であればあるほど募集が早く締め切りになりますので、できるだけ早く就職活動を始めた方がいいと思います。例えば、私の中国人の友達は12月から就活を始めて大企業に入社しました。しかし、どれだけ早く就活に乗り出したとしても日本語の会話がうまくいかない場合には、面接に落ちる可能性が非常に高いので、日本語の勉強もしっかりしたほうがいいと思います。特に、日本語の勉強は文法にこだわるより会話を中心に身につけたほうがいいと思います。(ただし、文法の勉強も少しずつ並行して行った方がいいと思います。