「地域発見型インターン」現地学習を実施しました

2019.9.13
三重創生ファンタジスタ・オリジナル科目「地域発見型インターン」の現地学習を実施しました。
三重大学18名、四日市大学3名の計21名が参加し、COC+事業協働機関を中心とした各地域の防災対策について、フィールドワークで学びました。

 

8月21日は伊勢市防災センターおよびマスヤグループ本社でそれぞれ防災やBCPの取組みをヒアリングしました。
伊勢市防災センターは消防署と防災教育の機能が一体となった拠点であり、消防・救急としての役割のみならず地域住民に対して日常的な自助共助の重要性を学習してもらう場として、様々な災害を想定した体験型コンテンツを揃えています。昨今とくに増えている集中豪雨による冠水や、火災避難における煙や炎の特性を体験を通して学びました。

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マスヤグループ本社では、今年度より策定を開始しているBCPの取組みについて、説明を受けました。
実際に稼働している工場を見学しつつ、原料調達から商品流通に至る広大なサプライチェーンを維持するために、全国各地の取引先と連携を強化しながらおにぎりせんべいなどの商品を欠品させないようにする努力を垣間見ました。また、食品メーカーとして地域住民の防災対策に協力するプランについても、学生たちから提案することで多様な世代を巻き込んだ防災訓練を実施する等のアイデアが生まれ、有意義な機会となりました。

 

8月22日は津市役所危機管理部防災室および、百五銀行を訪問しました。
津市は10市町村が合併した広大な自治体であり、海から山まで様々なロケーションを想定した災害対策が重要となります。市役所だけではなく各自治会での防災の取組みを支援することで、自助共助のネットワークを強化している活動が印象的でした。
百五銀行は地方金融機関の立場から地場の企業にBCPを推奨する取組みを進めており、全国にも珍しい大規模地震を想定した金融商品を組成するなど独自の対策も行なっています。
グループワークではBCP導入を推進する百五銀行チームと、BCPをよく分からず導入したくない中小企業チームに分かれてディベートを行ない、メリット・デメリットを戦わせることで本質的な理解ができるようになりました。

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8月26日は鈴鹿サーキットおよびICDAホールディングスを訪問し、大規模イベント時の防災・テロ対策や自動車を中心としたインフラ保全のBCPについて学びました。
鈴鹿サーキットはF1レース時には10万人もの観客が押し寄せ、通常時でも3万人程度が訪れる場所であり、サーキットだけではなく遊園地やホテル・レストランといった複合施設ならではの課題があると学びました。

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ICDAホールディングスでは新本社を建設するに当たって、地域防災の拠点となるとともに、ペーパードライバーなどへの運転講習を実施することで交通という公共的なインフラを守る立場を明確にしています。新たに社外取締役として鈴鹿消防署長を務めた中西氏を迎え、BCPを経営計画に盛り込むことで取引先や地域住民の信頼を得るといった話が印象的でした。また、近年多発する大規模災害に対しては自動車を寄贈するなど、機動的な支援も行なっているとのことです。

8月27日は多気町役場および万協製薬を訪問しました。
多気町は高速のジャンクションがある交通の要衝として、南海トラフ地震等の沿岸部が被災した際には後方支援拠点となる地域です。東日本大震災時の遠野市や熊本地震時の福岡市など、後方支援拠点としての機能を防災計画に盛り込んだ自治体の事例を参考として、学生たちが調査し提案しました。
万協製薬では、三重県に移転して第二創業したきっかけが阪神大震災だったという経緯もあり、従業員を守るための導線の確保や製薬会社として人の生命を守るための生産体制維持のBCPについてお話を伺いました。学生たちからはホワイト企業だといった感想が出るほど、従業員を第一に考えた数多くの施策が印象的でした。

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